ILOアーカイブの利用方法

日本の研究者で国際労働事務局(International Labour Office)の史料館を利用する人はあまり多くないと思うけれども、なにかの役に立つかもしれないので、利用方法を書いておこうと思う。とくに難しいことはなく、以下のILOアーカイブのHPにある連絡先に事前に連絡しておけばなんとかなる(はず)。

ILO Archives (Century Project)

ひとつだけ大事なのは、ウェブ上では公開されていない所蔵史料のカタログがあって、連絡の際に尋ねればその電子データを送ってくれる(たぶん)ということ。私の場合、戦前の史料に関心があったので、事務局、アルベール・トマ、ハロルド・バトラー関連の3つのカタログを送ってもらった。ほかにもカタログがあるのかは知らない。

史料館はILOの建物内にある。入り口でパスポートを見せれば中に入ることができ、入ってすぐ左手側にまがるとそこに閲覧室がある。同階に食堂もあるので食事の心配はいらない。

閲覧室内にある検索資料を使って新たに資料を探すこともできるけど、古い検索カードに書かれている資料のなかには見つからないものがけっこうあるので、あまり期待しない方が良いと思う。

日本の史料館と違って(?)、かなり融通がきいて、アーキビストの人たちがあれこれと教えてくれる。たとえば、私の場合、アルベール・トマが訪日した際の旅行記の草稿があり、草稿には出版された旅行記から削除された箇所が多数あることを教えてもらったりした。しかも、事情があってその時はきちんと読むことができなかったので、後日文字起こししたデータまで送ってくれた…。これはいつかなんらかのかたちで翻訳して公開しないといけないと思っている。

史料館を活用するためにはコミュニケーションが大事だということを痛感させられる。あくまで印象だけれど、英語よりもフランス語がしゃべれた方が良さそうではある。